2017年に日本体力医学会で発表したものです。従来から用いられている高炭酸ガス負荷試験では、末梢及び中枢の化学受容器が刺激され血圧が上昇するために、血管の拡張だけではなく、流入圧の上昇も脳血流の変化に反映されていることが、問題として挙げられていました。この点について、高炭酸ガスを2回呼吸させる2 breath techniqueという高炭酸ガス負荷試験をカナダのグループが考案しました。この方法ならば、高齢者でも生活習慣病患者でも比較的容易に負荷試験が行えるかもしれないと思い、以前からこの方法を自分の研究に使用したいと考えていました。科研費をいただき、実際にこの方法を用いて実験してみると、私の脳血管の変化の指標が彼らのものと異なるのも原因の一つですが、彼ら論文掲載したような説得力があるデータが得られませんでした。その問題点について、とりあげたものです。

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